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サンライズ瀬戸乗車体験記:夜行列車の魅力と自転車旅の始まり

2012年初めてサンライズ瀬戸に乗って四国へ渡り、しまなみ海道を自転車で走るという夢を実現したときの様子を別ブログからリライトしてサンライズエクスプレス情報サイトであるこちらに移転しました。

今回のイベントは、サンライズ瀬戸に乗ることとしまなみ海道を自転車で走破するという、鉄道と自転車を組み合わせたユニークな旅です。この記事では、まずサンライズ瀬戸の乗車体験について詳しく述べたいと思います。

夜行列車は、日本の鉄道文化の中でも特別な存在です。日中の新幹線や特急とは異なり、移動しながら眠るという独特の体験を提供してくれます。その中でも、サンライズ瀬戸は東京と高松を結ぶ寝台特急として人気を誇っています。

東京駅到着と期待に胸躍る待ち時間

8月のある暑い夜、私は興奮と少しの不安を胸に東京駅に到着しました。時刻は21時10分過ぎ。サンライズ瀬戸の出発まではまだ50分ほどありました(当時は22時ちょうど初)が、何か見逃してしまうのではないかという焦りから、京浜東北線のホームを降りるなり(当時は上野東京ラインはなかった)、すぐにサンライズ瀬戸・出雲の出る東海道線の9番線ホームへと急ぎました。

ホームに到着すると、そこは平日の夜とは思えないほどの活気に満ちていました。通勤の帰宅ラッシュと、夜行列車を待つ旅行者が入り混じり、独特の雰囲気を醸し出していました。サラリーマンのスーツ姿の中に、大きなバックパックを背負った旅行者の姿が点在し、それぞれの目的地に向かう人々の多様性を感じさせました。

発車時刻の22時までは、まだたっぷりと時間がありました。せっかくなので、ホームを歩いて自分の乗車位置を確認することにしました。サンライズ瀬戸は、通常の列車とは異なり、目的地ごとに乗車位置が決められています。私の乗車する1号車は、ホームの最前方、つまり熱海方面よりに停車するとのことでした。

ホームを歩きながら、夜の東京駅の雰囲気を楽しみました。頭上には大きな電光掲示板が輝き、次々と到着・出発する列車(ほとんど東海道線)の情報を表示しています。ホームの両側には、夜勤の駅員さんや売店のスタッフの姿も見られ、夜遅くまで動き続ける大都市の駅の姿を垣間見ることができました。

ホーム最前部に到着すると、そこにはベンチがありませんでした。長時間の待ち時間を快適に過ごすため、ベンチのあるホーム中程まで戻ることにしました。その途中、輪行袋を持った若者とすれ違いました。同じようにサンライズ瀬戸で自転車旅に出かける仲間かもしれないと思いましたが、声をかけることはせずにそのまま通り過ぎてしまいました。後になって、一緒に記念撮影をお願いすればよかったかなと少し後悔しました。同じ趣味を持つ人との出会いは、旅の醍醐味の一つかもしれません。でもさらに後になって考えたらそれはそれでイタいおっさんです。

ベンチに座り、周囲の様子を観察しながら待ち時間を過ごしました。サンライズ瀬戸を待つ人々の中には、年配のグループが多く見られました。おそらく観光旅行に出かけるのでしょう。意外にも、私のように自転車を持ち込む人は少ないようでした。もっと大勢いるかと思ってた。

列車の入線予定時刻は21時48分ごろです。その瞬間を写真に収めようと心に決め、21時40分頃になったところで、再び1号車のある前方へと向かいました。

予想外の早期入線と写真撮影の失敗

しかし、計画は思わぬ展開を迎えます。21時48分の入線予定時刻を待たずに、サンライズ瀬戸・出雲が静かにホームに滑り込んできたのです。予想外の早い入線に驚き、慌てて写真を撮ろうとしましたが、うまく構図を決められないまま、列車は完全に停車してしまいました。

入線シーンの撮影を逃してしまい、少し残念な気持ちになりました。鉄道写真の醍醐味の一つは、まさにこの入線の瞬間を捉えることにあります。列車のヘッドライトが夜のホームを照らし、徐々に近づいてくる様子は、多くの鉄道ファンを魅了する光景です。次の機会には、もっと早めにホームに出て、素晴らしい一枚を撮影したいと心に誓いました。

車内の様子:狭い通路と落ち着いた雰囲気

いよいよ乗車の時間です。私の座席は1号車の9号室。乗り込んでまず気づいたのは、通路の狭さでした。寝台車の構造上、限られたスペースを有効活用するためには止むを得ないことですが、自転車とトレーラーを部屋まで運ぶのには少しばかり苦労しました。

通路を進みながら、他の乗客の様子も観察しました。小さなスーツケースを持った単身の旅行者、家族連れ、友人同士で旅行を楽しむグループなど、様々な乗客が自分の部屋に向かっていました。皆、夜行列車という特別な空間に期待を膨らませているようでした。

自分の部屋に到着し、ドアを開けると、そこには想像通りの落ち着いた空間が広がっていました。内装は木目調で統一されており、限られたスペースながらも快適さを感じさせる設計でした。窓の外には東京駅のホームの喧騒が見えますが、部屋の中は電車のコンプレッサーの唸り音は聞こえるものの比較的静かでしたが、まるで別世界に来たかのような感覚を覚えました。

荷物を置き、ベッドに腰掛けながら、これから始まる旅への期待が膨らみます。夜行列車の魅力の一つは、この「旅の前夜」の高揚感にあるのかもしれません。明日の目的地について思いを巡らせ、車窓から流れる夜景を眺めながら、ゆっくりと眠りにつく。そんな特別な体験ができるのは、夜行列車ならではです。

サンライズ瀬戸の設備や構造については、事前にインターネットで調べていたため、ある程度の予想はついていました。しかし、実際に目にし、触れてみると、その快適さや細部へのこだわりに改めて感心させられました。限られたスペースを最大限に活用し、機能性と快適性を両立させた設計は、日本の技術力の高さを感じさせるものでした。

今回の記事はここまでとし、気が向いたら続きは後日報告したいと思います。サンライズ瀬戸での夜の過ごし方、朝を迎えたときの感覚、そして乗り継いで今治に到着してからの自転車旅の様子など、まだまだ書きたいことがたくさんあります。

現在、この記事を書いているのは、旅のから帰ってきて10年以上経った地元です。長時間の自転車走行と夜行列車での移動で、身体はかなり疲れていましたが新しい経験の興奮が疲労を上回っていたことを昨日のことのように覚えています。

夜行列車と自転車を組み合わせた今回の旅は、移動そのものを楽しむという、新しい旅のスタイルを体験する機会となりました。鉄道の旅と自転車の旅、それぞれの魅力を最大限に引き出しながら、日本の景色や文化を深く味わう。そんな贅沢な時間を過ごせることに、深い感謝の気持ちを抱いています。

次回の記事(気が向いたら)では、サンライズ瀬戸での夜明けの体験や、しまなみ海道でのサイクリングの様子など、旅の続きをお伝えする予定です。鉄道と自転車、そして日本の美しい風景が織りなす、この素晴らしい旅の全貌を、少しずつですが確実にお伝えしていきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

寝台特急 サンライズ瀬戸(ツアー) 【近畿日本ツーリスト】
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