私は出雲方面が好きでしばしば時間とお金を作ってはでかけます。
本当は毎回サンライズ出雲に乗って行ければよいのですが、必ずしもそうではありません。夜行バスを利用することもあります。
そこでサンライズ出雲を利用するのと夜行バスで出雲まで行くのとではどちらがどんな点でメリットやデメリットがあるのか下り方面に限定して考察します。
サンライズエクスプレスと夜行バスとの比較
比較表*印について下で解説します
比較項目 | サンライズエクスプレス | 夜行バス |
乗車時刻*1 | 22:00 | バス会社による |
シャワー | 有料だが有り | 無し |
トイレ | 各車両にあり | バス会社または車両による |
快眠度*2 | 揺れるがすべて横になれる | シートグレードにより多少差があるが完全に横にはなれない(105度〜140度ぐらい) |
所要時間 | よほどのことがない限り固定 | 道路状況により多少変動あり |
途中乗車 | 決まった駅で途中乗車できる | 下り便の乗車場所は現在東京駅か新宿駅で固定 |
途中下車 | 購入先までの停車駅で途中下車できる | 予め購入した切符により下車する停留所が決まる |
輪行(自転車携行)*3 | だいたい可 | 不可 |
料金 *4 | 東京→出雲市駅で16040円〜参照ページ | 季節および曜日により変動あり安いときは10000円を軽く切る |
快適度 *5 | ほどほど | きつめ |
交通の安心度 | 事故の起こる確率はかなり低い(山間部では大型動物を轢き遅延の危険あり筆者経験済み) | 自動車事故の起こる確率に準ずる |
車内飲み物自販機 | あり(ただし売り切れ御免) | なし(ただし途中停車SAなどで調達可) |
*番号の解説
*1 乗車時刻
サンライズ出雲にしてもサンライズ瀬戸にしても季節により臨時便がときどきあり東京駅発22時という便以外にも発車するときがあります。それ以外は基本的に22時ちょうど発です。一方、夜行バスの場合現在3社が東京都内と出雲・松江方面の往復便を運行していて、オリオンツアーの高速バス・夜行バスの予約サイトによると20:30発、WILLER EXPRESSの東京⇔米子・松江・出雲サイトによると19:40発、一畑バス株式会社の高速乗合バス(スサノオバス)サイトによると19:10発となっています。
サンライズの22時発に対してバス会社はいずれも19時台〜20時台と地方から東京に出てくる人にとってはやや早めかなと個人的には感じます。余談ですが私も仕事を終えて東京駅からバスに乗ろうと思ったら19:40発のWILLER EXPRESSが限界で一畑バスの19:10に乗ろうと思ったら仕事を早退する必要があります。
*2 快眠度
サンライズの場合、一番安いグレードのノビノビ座席でも乗客全員が横になって寝ることができます。しかしバスではオリオンツアーの105度、WILLER EXPRESSの最大140度と180度横になる就寝は不可能です。快眠度が致命的に違います。もっとも揺れに関しては個人的には同程度と判断します。サンライズでも電車ですから当然揺れることは揺れるので神経質な体質の人ですとなかなか寝付けないということがままあります。ちなみに私も枕が変わると寝付きがものすごく悪く、サンライズは好きなのにかなり朝の気分は悪いです。
*3 輪行(自転車携行)
私個人的に自転車を携えて旅行するのが好きなので必ずこのテーマを比較に盛り込みます。
サンライズエクスプレスの場合、輪行は比較的容易です。個室ならほぼ問題なく分解あるいは折りたたんで袋詰した自転車を一緒に乗せることはできます。ただノビノビ座席だけは微妙です。詳細については輪行の考察ページにて述べていますのでそちらを参照ください。
バスについては現在のところ東京-出雲・松江方面の便では自転車をトランクに堂々と乗せることは不可能となっていますし、今後もこれが可能になるということはないでしょう。
ただ利用してみた感触としてはできるだけコンパクトにした状態でちゃんとした輪行用の厚手の袋に入れた自転車なら一緒にトランクに入れてくれるのでは?という印象です。これは単なる私個人の想像に過ぎませんので過信してほしくないのですがなぜならサイクルトレーラーという自転車の後ろにつけて引っ張るタイプのスーツケースは普通に預かってくれるのでそれより少々ごつい程度の荷物なら預かってくれるのではないかと勝手に思っています。しかしながらいざ乗り場で預かりを拒否されたらバスに乗るのを諦めるか自転車をその場に放置するかいずれかの選択を迫られるリスクがありますので実行してみるなら自己責任にてお願いします。
*4 料金
サンライズエクスプレスはJRですから基本的に季節変動はなく、1年を通して料金は一律です。
一方、バスは季節変動やら繁忙期や閑散期を考慮して料金は大きく変わります。例えばWILLER EXPRESSの東京⇔米子・松江・出雲便を見ると安い時期は片道6500円程度からあり、高い時期は15000円ぐらいあるいはもっとします。他社も同様に季節変動があります。
このようにバスは利用する日によって大きく金額が変わりますので利用する時期によってはお得に利用できる場合もあれば、逆にかなり割高に感じられることもあるでしょう。ただそれでもサンライズ出雲の東京-出雲市駅間の最安料金16040円と同等です。バスで一番割高の時期に当たりそうかなと思ったらサンライズ出雲を利用するという選択肢もありでしょう。
*5 快眠度
サンライズエクスプレスの場合、最安シートであるノビノビ座席でも自分のプライベート空間は畳一枚程度確保できるようになっています。それ以外のグレードであればすべて個室であるのでプライベートは確保されるし自分の好きな格好で寝ることも可能です。なんなら真っ裸で寝ることも可能といえます。
しかし高速夜行バスの場合、椅子1つ分のスペースしかなく、しかも4列シートだとかなりきついです。さらに背もたれの角度はオリオンツアーの東京-出雲・松江だと105度、WILLER EXPRESSの上級グレードシートであるコモドでも140度です。体を横にして180度伸ばした状態で寝られないのはかなり致命的といえるでしょう。
飛行機のエコノミークラスでハワイあたりへ海外旅行をした経験のある方なら十分想像できるでしょう。それとほぼ同じです。ただバスの場合、途中途中のSAで停車してくれて下車し体を伸ばすことができるのがせめてもの救いです。それがなかったら本当に耐え難いです。
交通の安心度
高速バスでの事故のニュースを過去に聞いた経験のある人は多いでしょう。いくつかの事故が起きてから一定以上の移動距離を運行する場合には2名以上の乗務員が乗ることが義務付けられたのは比較的近年になってからです。
それ以来、東京-出雲・松江間のバスには安心して乗れるようになったともいえます。
ただそれでも自動車ですから一般的な自動車の交通事故の確率はつきまといます。ちょっと古いデータですが平成24年の統計情報を見るとバスの事故構成率は低いです。必ずしもバスだから危険ということはなさそうです。
http://www.mlit.go.jp/common/000229255.pdf
結論
サンライズエクスプレスのサイトなので結論としてサンライズを推したいところですが、バスはバスで利点も多々あります。予算やらスケジュールやらを考慮して決めれば良いでしょう。
ただサンライズエクスプレスは日本国内の数少ない寝台列車です。いつなくなるかわかりません。運行している今のうちに利用しておくのは大事かなと思います。なくなってしまってはいくらお金を積んでも乗れませんからね。
サンライズエクスプレスに乗るなら自分でみどりの窓口に並ばずに取れるツアーがおすすめです。